ものづくりを志して製造業へ
大工の仕事をしている父の影響で、小さい頃からものづくりが好きでした。父は自宅の家具なども手作りしていたので、よく私も手伝っていましたね。将来は一からものづくりに携われるような仕事をしたいと考え、工業系の高等専門学校に進学し、就職活動の際には製造業を志望しました。十川産業に出会ったきっかけは、母校に求人が出ていたことです。私は山形県出身ですので、地元から遠く離れた地での就職ですが、母校の先輩方が数多く活躍されていることが決め手になりました。入社以来、京都府南丹市にある京都工場で働いています。最初の10年は製造現場を経験し、その後、生産管理課に異動して7年ほどになります。
顧客と製造現場をつなぐ架け橋
製造現場では、押出成形という加工方法を用いたホースの製造に携わっていました。押出成形機から出てくる樹脂をホースに成形するのですが、高温の樹脂はドロドロとした不安定な状態で、まるで生き物のよう。その樹脂をミリ単位で調整して、きれいな真円のホースの形に仕上げていくには、職人的な技術が必要です。それが難しさでもあり面白さでもありますね。生産管理課に異動してからは、製造に直接携わることはなくなりましたが、10年間現場を経験したことが今の仕事にも生きていると感じます。
生産管理課では、お客さまと工場をつなぐ架け橋のような仕事を担っています。お客さまの要望をもとに、材料の選定、サイズや色といった構成を組み、見積もりを作成し、金型などはCADを使って設計して、工場と連携して試作や試験を行います。こういった工程を経て、お客さまから最初の注文をいただいた時には、大きなやりがいを感じますね。初回生産の時には、うれしくてつい工場まで見に行ってしまいます。一から考えてものを作っていくのはやはり楽しいですし、お客さまの反応を直接聞けるので喜びもひとしおですね。
製品開発を支えるアットホームな環境
現在は、新製品の開発にも携わっています。月1回の会議で、進捗状況の報告や方針の相談をしているのですが、開発に行き詰まった時にはその場で社長や部長に直接相談できるので、とても良い環境だと思いますね。社長はいつも「自分一人の考えで失敗するな。社内で相談して、会社として決めて取り組んだことなら、失敗しても構わない。失敗を恐れていたら開発はできない」とおっしゃいます。社長自身が、製造や資材の部署を経験しているので、技術者の気持ちも汲んでくれます。また、開発に対してもとても前向きに支援してくれるので、新しいことにチャレンジしやすい環境ですね。
弊社は、役職にかかわらず気軽に相談できるアットホームな雰囲気が魅力です。会議では若手も積極的に発言できますし、会議の場に限らず、普段から部署の枠組みを越えたやりとりがとても多いです。ゴルフのコンペや社員旅行といった社内の交流も盛んですね。
20年の経験を生かして新たな製品を
今後の個人的な目標としては、入社して間もなく20年になりますので、これまでの製造・生産管理での経験やノウハウを生かして、新製品を開発したいと思っています。お客さまの要望をきっかけとした製品開発、いわばお客さま発信の開発が多いのですが、そうではない自分発信での開発をやり遂げたいですね。5年後10年後はこういう社会になるだろうという、未来を見据えた新製品を作って世に送り出したいです。あとは、会社の一員としては、後輩たちにどうやって技術を伝えていくかを意識して仕事に取り組んでいきたいです。ITなどの知識は若い人のほうが長けている場合も多いですから、若い人たちの力も吸収しながら、技術はしっかりと継承して、会社の成長に貢献していきたいですね。