20万人の学生が選ぶ!働きたい企業50社

BACCS(バックス)

日本モウルド工業株式会社

学生が選んだ理由 編集部レポート

古紙に再度命を吹き込む

さまざまな価値を付与した紙製緩衝材「パルプモウルド」を製造している日本モウルド工業株式会社。聞き慣れない製品名かもしれないが、鶏卵や青果などの梱包材として、誰しも一度は目にしているはずだ。新聞、雑誌、段ボールといった古紙を回収してリサイクルしており、持続可能な社会を実現するための具体的な活動が求められる昨今、ますます注目を集めるであろう企業の1つだ。

日本モウルド工業株式会社 写真

日本モウルド工業株式会社
所在地 愛知県安城市三河安城町2丁目20番地1
設立 1956年5月
資本金 2億6千万円
事業内容 家庭から回収された紙ごみをリサイクルし、様々な付加価値を付与した紙製緩衝材【パルプモウルド】を製造するメーカー。グループ全体で資源回収、パルプモウルドへの印刷などを行い、縦型の事業展開で社会にパルプモウルドを通して貢献している。
企業URL http://www.mold.co.jp/
代表者 石原 雄大

※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。

INTERVIEW

専務取締役兼生産本部長石原 雄大

日本モウルド工業株式会社 写真

高い自由度と決断力が成長のカギ
企画のしやすさと現場主義が入社の決め手に

国内外の工場の生産に関する現状把握から、機械を導入するべきかどうかの判断、新しく工場を建てる際の土地のリサーチなど、生産に関する業務全般をマネージメントしています。私には働く上で、やりがいを感じることが二つありまして、一つは何かを企画して、実行すること。もう一つはエリアに縛られず、さまざまな場所を訪れることができることです。前職の証券会社の法人営業では、これらがあまりできず、不自由さを感じていたときに日本モウルド工業を知り、2004年に入社しました。当初は鶏卵と青果物の梱包しか製造していませんでしたが、私を含めた社員たちからの発案で、工業製品の梱包材を製造するプロジェクトを発足。理想としていたものが出来上がったとき、喜びを分かち合う楽しさを実感しました。こういった企画、実現をできることだけでなく、国内外の拠点を飛び回り、自分の目で現場を確認できることにもやりがいを感じています。

他社にはない自由度が魅力

日本の多くの会社とは異なり、当社は完全に独立資本です。例えば、メーカーを親会社に持つ子会社があり、製品の部品の一部を製造しているとします。より良い部品を製造したいと思っても、親会社や他の部品メーカーにまで配慮をせねばならず、自由度が低かったり、実現まで時間がかかってしまったりします。当社では、そういった制約がないため、経営の自由度が高く、大手にはできない速さで実現できることが魅力の一つです。当社でも他社と同様、改善活動を実施しておりますが、これも自由度の高さが自慢です。工場の生産ラインを担当する社員が、仕事のしづらさを理由に自発的に生産ラインを増やし、業務効率化につなげたということもありました。当社としては表彰対象ですが、他社の方にこの話をするととても驚かれます。事故につながることや製品の品質を変えることであればさすがに止めますが、そうでない限りは自由に改善して問題ないという風土があります。

互いを思いやることがいい仕事につながる

生産部門に配属されると、まずは工場で現場経験を積むことになります。私自身も入社して3年は、さまざまな工場で製造に直接携わっていました。この経験がないと、製品や現場で働く社員に対する想像力が低くなります。結果、あつれきを生み、製品の質や配送などに影響が出ることもあります。事務職の社員の仕事について理解を高めるためには、事務所教育というものを行っています。月に一度、30分程度の時間内で、自分が行っている仕事を発表するというものです。生産部門と一括りにいっても分業化されていますから、実は他の課の仕事を知らないといったことがあります。しかし、知ることによって思いやりが生まれたり、気づきを得たりすることもあります。リレーをすると、バトンを渡すときに走者が並走するようなゾーンがありますよね。仕事にもそういった箇所があり、そこをうまくケアするためには、他の社員の仕事に対する理解が必要だと思っています。

経験が決断力を育む

自分で考え、決断できる人がリーダーとして活躍しています。決断をするためには知識と経験の2つが必要です。当社が現場での経験を重要視するのは、そういった理由でもあります。経験を積んでもらうために、一度任せたら口を出さないということを意識しています。それによって社員が失敗をすることもありますが、得られるものもあるからです。ベストは時代によって変わりますし、そもそも何がベストかも分かりません。常にベターを求めて、決断をしていけるような人ですと、やりがいを持って働けると思います。また65年も続いている会社ですから、管理者層に多くの退職者が出ています。以前でしたら10年の経験が必要な役職でも、今は5年で就けるということもあります。裁量権を持って仕事をしたいという若者でも、責任ある仕事ができるのも魅力ではないでしょうか。