20万人の学生が選ぶ!働きたい企業50社

BACCS(バックス)

株式会社三谷製作所

学生が選んだ理由 編集部レポート

培った技術で社会基盤を支える

1918年創業の三谷製作所。ここで加工される産業機械向けの金属部品は、鉄鋼、ポンプ、水力発電などの産業機械に使用され、私たちの暮らしを陰ながら支えている。「長尺物の加工なら三谷製作所」と言われるほど業界での評価は高く、信頼も厚い。競合他社にはなかなかできないような技術の確立を目指す他、「三谷製作所で働けて良かった」と社員に言ってもらえるように、社内環境の向上にも力を入れることで200年企業を目指す。

株式会社三谷製作所 写真

株式会社三谷製作所
所在地 広島県尾道市向東町14745-22
設立 1951年4月1日
資本金 10,000,000円
事業内容 長尺物、特殊ねじ加工及び大型製品の精密加工を主とした産業機械(鉄鋼、ポンプ、電機、水、環境等)向けの金属部分の製造
企業URL http://www.onomichi-mitani.co.jp/
代表者 三谷 晋一郎

※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。

INTERVIEW

三谷 晋一郎

株式会社三谷製作所 写真

200年企業を目指して続く挑戦
コミュニケーション能力が最重要

私たちは、産業機械を製造するメーカーさんから依頼を受けて、金属部品の加工を行っている企業です。工業系の知識が必要だと思われがちですが、工作機械に加工プログラムを流し込んで操作を行うため、オペレーター作業が中心になります。職人の技が必要なものもたくさんありますが、そういった特別な知識や技術は経験と共に培われていくものですので、ベースの部分ではむしろコミュニケーション能力が重要です。当社は専属メーカーの下請け作業を行っているわけではなく、全国にあるたくさんの会社のパートナーとして多種多様な部品を作っています。一人の作業者が部品完成に至る全ての作業を担当するということはなく、部品の多くは複数の作業者の手と機械を通ってようやく完成します。例え製造実績のある部品でも、作業者が変われば、作業への考え方も変わります。そこで前後の作業者と都度コミュニケーションを取れていないと、トラブルにつながる可能性があります。ですから、一般的なイメージとは反対かもしれませんが、意外にもサービス業をしていた人が活躍してくれるというケースがよくあります。

社員のモチベーション向上

私は、社長という仕事柄、就職活動の場で学生さんに向けて話をする機会があります。その際に仕事に対するイメージを聞くと、ネガティブな回答をもらうことが多いですね。人生の多くの時間を費やすのですから、仕事を楽しまないともったいない。その思いから、社員のモチベーションを上げることを意識しています。当社の仕事は金属加工で、何も考えずに手を動かしているだけだと、単純作業になってしまいがちです。それを避けるために、今その作業者が製造している部品がどれだけ重要で、どのように社会で活躍するのかを説明します。他にも、作業でどれだけ利益が出たか、そのことに対するお礼やねぎらいの言葉も伝えています。目的や意義、成果を伝えることで、仕事に対するやりがいを持ってもらえると思いますし、事実こういったことを心掛けるようにしてから、社内の雰囲気も明るくなったと感じています。

30代の若手を工場責任者に登用

当社の魅力は変化を恐れず、日々挑戦をし続けていることです。そのわかりやすい例として、2022年4月に工場責任者たちを総入れ替えし、30代の若手を中心にメンバーを抜てきしたことが挙げられます。それまでの工場長責任者たちは、60歳を超えたベテラン勢でした。一般的には次世代にあたる4、50代の社員を新しい責任者に据え、世代交代を図るでしょう。しかし、30代社員がめきめきと力をつけ、業務関連の提案を活発に行っているのを見ているうちに、今の閉塞感のある社会に必要なのは、この若さゆえの物怖じのなさだと感じるようになりました。そこで、生産性改革プロジェクトのメンバーにその30代の社員を加え、成果を表してもらうことで、周囲が納得できる実績を作ってもらいました。リスク管理をできる彼らの上の世代とのバランスを取りつつ、さらなる成長のための土台ができたと確信しています。

時代の変化に合わせられる柔軟性

もう一つ挑戦的な試みとして、中小の製造業としては珍しく、発信にも力を入れ始めました。当社は業界では名を知られており、取引先からの技術に対する評価も高いと感じています。しかし、地元であっても若者の認知度は低く、ましてや仕事の内容については若者以外の人達にもほとんど知られておらず、もっと多くの人にそれを知ってもらう必要があると感じました。そこで、2022年7月からインスタグラムの運用を開始。月曜は製品、水曜は社員、金曜は工作機械について投稿するというルールのみ決めて、あとは4人の若手メンバーに自由に運用してもらっています。どちらかといえば、元々は学生さんに知ってもらいたいという思いから始めたのですが、同業者ともつながれたことで、当社の所有する機械ではできない加工をお願いできるという、うれしい効果もありました。また、投稿への協力を仰ぐことで、社内でのコミュニケーションも増え、さらに活気付いたと感じています。若手社員の工場責任者への登用も含め、既存のやり方にとらわれず、会社のアップデートを図り続けていくのも目標の一つです。